Liber AL vel Legis
sub Figura CCXX
The Book of the Law
as delivered by XCIII = 418 to DCLXVI
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Chapter I
- 1.
- Had(ハド)!Nuit(ヌイット)の顕現。
- 2.
- 天界の一団がヴェールを上げる。
- 3.
- すべての男、すべての女は星である。
- 4.
- すべての数は無限。そこには如何なる差異も無し。
- 5.
- われを助け給え、おおテーベの戦士なる君主よ、人の子らの面前でヴェールを脱ぐのを!
- 6.
- わが秘密の中枢たる汝Hadit(ハディート)よ、わが心臓、そしてわが舌となれ!
- 7.
- 見よ!それはHoor(ホール)-paar(パアル)-kraat(クラアト)に仕える、Aiwass(アイワス)によりて啓示された。
- 8.
- Khabs(クハブス)はKhu(クー)の中にあるのであり、Khu(クー)がKhabs(クハブス)の中にあるのではない。
- 9.
- さればKhabs(クハブス)を崇めよ、そして、わが光がおまえの上に降り注がれるのを見るがよい!
- 10.
- わがしもべらは、少数の知られざる者達とさせよ。彼らは多数の知られたる者達を支配すべし。
- 11.
- 人々が賛美するは愚か者達。彼らの神々も、彼らに仕える者達も愚か者なり。
- 12.
- すすみ来れ、おお子供らよ星々の下(もと)へ。そして満たされた愛を手にするがよい!
- 13.
- われはおまえの上にあり、またおまえの中にある。わが恍惚はおまえの恍惚の内に。わが喜びはおまえの喜びを見る事に。
- 14.
- 頭上高く、宝石ちりばめたる碧空は、Nuit(ヌイット)のありのままの光輝。彼女はHadit(ハディート)の秘めたる熱情に口づけるべく、恍惚のうちに身を屈める。翼有る地球、星月(ほしづく)夜の青い空はわれのもの。おお、Ankh(アンク)-af(アフ)-na(ナ)-khonsu(コンス)よ!
- 15.
- 汝、今や知るべし。選ばれし司祭にして無限の宇宙の使徒こそ、王子=司祭たる獣であるという事を。そして、緋色の女と呼ばれし、かの情婦の内に全ての力は与えらたり。彼らはわが子供達を一同に集め、彼らの群れに入れるであろう。彼らは人々の心の内に星々の栄光を運び込むであろう。
- 16.
- 何故ならば、彼は如何なる時も一つの太陽であり、そして彼女は一つの月であるからだ。しかし、彼には翼有る秘密の炎があり、そして彼女には前屈みの星明りがある。
- 17.
- だが、汝らはかように選ばれた者にあらず。
- 18.
- 彼らの額の上に燃え上がれ、おお光り輝く蛇よ!
- 19.
- おお、青き瞼の女よ、彼らの上に身を屈めよ!
- 20.
- 諸儀礼の鍵は、彼に授けた秘密の言葉の中にある。
- 21.
- 神と崇拝者にとって、われは何者でもない。彼らはわれを見てはいないのだ。彼らは地上にいるも同然。われこそが天界であり、われとわが主Hadit(ハディート)以外に神はない。
- 22.
- かくして今、汝らにはNuit(ヌイット)という名前で知られ、彼には、終にわれを知りたる時に授ける秘密の名前によって知られるなり。われは無限の宇宙、そして無限の星々であるが故、汝らもまた、かくの如き行え。何者をも束縛するなかれ!おまえ達の間で、如何なる二者にも差異を作らせるべからず。何故ならば、それによって苦痛が生じるからである。
- 23.
- だが、この中に誰であろうとも益する者がいるというならば、彼を万人の長(おさ)とさせておくがよい!
- 24.
- われはNuit(ヌイット)、そしてわが言葉は6と50なり。
- 25.
- 割り、足し、掛け、そして理解せよ。
- 26.
- それから、麗しき一者なる預言者にして奴隷たる者がこう言う。私は何者なのでしょう。そして何がその徴となるのでしょうか?と。そこで彼女は答えた。屈み込み、青い炎を揺らめかせ、すべてに触れ、すべてに染み込んで、彼女の愛らしい両の手は黒き大地に置かれた。彼女のしなやかな体は愛の為に弓なりに、柔らかな足は小さな花々を傷つけもせず。されば汝が一番に知っているであろう!そして、その徴がわが恍惚、存在の絶え間ない意識、わが身体の偏在となるであろう。
- 27.
- 次に司祭が答え、宇宙の女王に向かい言った。彼女の愛らしい額に口づけつつ、汗の甘く匂いたつ香水の中、全身に彼女の光の滴を浴びながら。おおNuit(ヌイット)、天界の絶え間なき者よ、とこしえにかくの如くあれ。人々が汝を在るものとして語るのではなく、無なるものとして語るように、更には彼らが口にさえしなくなるように。汝、絶え間なき者なれば!
- 28.
- 無なるもの、星々の微かなる幻想的な光が囁き、しかして二者。
- 29.
- 何故なら、われは愛の為に分裂させられたのだ。結合の機が熟する時の為に。
- 30.
- これこそが世界の創造なり。分裂の痛みなど無に等しく、溶解の喜びこそがすべて。
- 31.
- これらの愚かなる人間どもや、彼らの苦悩など汝は少しも気にかける事はない!彼らの感情は希薄なのだ。有るものといえば、脆い喜びに保たれた均衡くらいである。だが、汝らはわが選びし者なり。
- 32.
- わが預言者に従え!わが知識の試練を最後までやり抜くのだ!われのみを求めよ!さればわが愛の喜びは、汝らを一切の苦痛より救い出すであろう。まさしくその通り。われは、わが肉体の奥底を賭けてそれを誓う。わが神聖なる心臓と舌を賭けて、われが与え得るすべてのものに賭けて、われが汝ら全てに欲する一切のものに賭けて。
- 33.
- すると司祭は深い恍惚状態、または気絶状態に陥り、天界の女王に向かい言った。われらにその試練を書き記し給え。われらにその諸儀礼を書き記し給え。我らにその法を書き記し給え!
- 34.
- だが彼女は言った。試練を書き記しはせぬ。諸儀礼の半分は知らしめるが、半分は隠しておこう。法はすべての者の為に。
- 35.
- ここに汝が記すものこそ、法の書三部作なり。
- 36.
- 王子らの司祭たるわが書記、Ankh(アンク)-af(アフ)-na(ナ)-khonsu(コンス)はこの書の一字たりとも変えてはならぬ。しかし愚行なきよう、彼はRa(ラー)-Hoor(ホール)-Khu-it(クイト)の知恵によって同書に注釈をすべし。
- 37.
- また、マントラと呪文、obeah(オーベア)とwanga(ワンガ)、杖の業(わざ)と剣の業(わざ)、これらを彼は学び教授すべし。
- 38.
- 彼は教授せねばならぬ。しかし試練は過酷なものとしてよし。
- 39.
- 法の言葉はθελημαなり。
- 40.
- われらをThelemites(セレマイト)と呼ぶ者、彼がその言葉を綿密に調べるならば、間違いを犯すことはないであろう。そこには隠者、愛する者、地上の人間、という三位階があるからである。汝の意志することを行え、それが法の全てとなろう。
- 41.
- 罪なる言葉は「制限」。おお、男よ!彼女が意志するのならば汝の妻を拒むなかれ!おお、愛する者よ、汝が意志するのならば立ち去るがよい!分かれたるものを一体に出来る絆は愛以外に無い。その他すべては呪いなり。呪われよ!永劫に渡りて呪われよ!地獄ぞ。
- 42.
- 縛り付けられ、嫌悪を振りまきたる、多くの物と形(なり)の状態はそのままにさせておけ。汝の一切に関しても。汝は自らの意志を行う他には権利を持たぬ。
- 43.
- それを行え。されば何者も拒絶する事はないであろう。
- 44.
- 決意の減退する事なく、結果ばかりを求める抑え難き欲望より解放された純粋なる意志とは、あらゆる点において完全である故に。
- 45.
- その完全とその完全によって一つの完全になるのであり、二つになるのではない。否、無となるのだ!
- 46.
- 無はこの法における秘密の鍵の一つなり。61とユダヤ人達はそれを呼ぶ。われはそれを8、80、418と呼ぶ。
- 47.
- だが彼らはその半分を持つ。そう、全てが消滅するよう汝の技によりて一体とせよ。
- 48.
- わが預言者は彼の1、1、1、と共にある愚か者なり。彼らは雄牛ではあるまいか?典拠のある者は一人たりとも居らぬのか?
- 49.
- 破棄するは全ての儀礼、全ての試練、全ての言葉と記号。Ra(ラー)-Hoor(ホール)-Khuit(クイト)は神々の秋春分点において、東方にある彼の座に着かれた。そして、彼らもまたそれぞれに一者であるAsar(アサル)をIsa(イサ)と共にさせよ。だが、彼らはわれに属するものではない。Asar(アサル)を崇拝される者、Isa(イサ)を受難者とさせよ。自らの秘密の名と、光輝の内にあるHoor(ホール)こそが伝授する主なり。
- 50.
- 高等司祭の務めについて一言いいおく事がある。見よ!一つの中に三つの試練があり、それは三通りの方法で与えられるやもしれぬ。低劣なるものは火を潜り抜けねばならぬ。洗練されたるものは知性の中で、そして、高尚なる選ばれしもの達は天上において試練にあわせよ。かくして汝らは星と星、体系と体系を持つ事となる。一方の者に他者を知らしめてはならぬぞ!
- 51.
- 一つの宮殿へと通じる門が四つある。その宮殿の床は銀と金より成る。瑠璃と碧玉があり、あらゆる珍しき香りに満たされ、ジャスミンと薔薇、そして死の紋章がある。彼を四つの門から順番に、もしくは同時に入らせ、宮殿の床の上に立たせよ。彼は沈まぬか?Amn(アムン)。ほお!戦士よ、もし汝のしもべが沈めば?しかし方法は幾らでもある。従って上等であれ。汝らは皆、立派な衣服を身に纏い、栄養のある食べ物を食し、甘い葡萄酒を飲め、しかも泡立つ葡萄酒を!また、汝の意志のままに、おまえが満たせるだけの意志なる愛を受け入れよ。何時でも、何処でも、そして誰とでも、汝の意志において!だが常にわれに向けて。
- 52.
- もしもこれが正しく為されない場合、もしも汝がスペース・マークを混同し、彼らは一つであると言ってみたり、また彼らは多数であると言ったりする場合、もしも儀礼が常にわれに向けられたものでない場合、Ra(ラー) Hoor(ホール) Khuit(クイト)の凄まじき天罰を予期するがよい!
- 53.
- これが世界を再生させるであろう。わが姉妹なるその小さき世界、わが心臓、そしてわが舌、わが接吻を送りし者を。また、おお書記にして預言者、汝王子らに仕える者とあれども、それは汝を乾きから癒す事も、汝を罪より放免する事もないであろう。しかし恍惚は汝のもの、そして地上の喜びなり。常にわが方へ!わが方へ!
- 54.
- たった一文字たりとも書体は変えてはならぬ。何故ならば、見よ!汝、おお預言者よ、そこに隠されたる、これらの秘儀の全てを見る事はかなわぬであろう。
- 55.
- 汝の臓腑の子、彼こそがそれらを見るであろうぞ。
- 56.
- 東からとでもなく、西からとでもなく、彼を予期せよ。何故なら、あの子供は予期せぬ宮よりやって来るのだ。Aum(オウム)!全ての言葉は神聖であり、全ての預言者は真(まこと)の者なり、殆ど何も知らないという事のみを除けば。方程式の前半は解き、二番目は手をつけず放っておけ。しかし、汝は全てを澄んだ光の中に有し、また、全てではないが一部を闇の中に有する。
- 57.
- わが星々の下(もと)にわれを召喚せよ!愛は法なり、意志の下の愛こそが。愚か者どもに愛を思い違いさせるなかれ。多種なる愛と、愛とがある故に。鳩がいて蛇がいる。汝において良きものを選択せよ!彼は、わが預言者は、砦の法を知ること、そして神の家の秘儀とを選びし。わが書のこれら全ての古き文字は正しい。しかしTzaddiは星にあらず。これもまた秘密である。わが預言者はそれを賢者らに啓示するであろう。
- 58.
- われは地上においては想像もつかぬ程の喜びを与える。生ある間に信仰ではなく、確信を死の上に。言葉では言い表せぬ平穏、静寂、休息、恍惚を。われは如何なる生け贄をも要求せず。
- 59.
- わが香は樹脂を含んだ木とゴムからなる。そして、その中に血はあらぬ。わが毛髪、不滅の樹木故に。
- 60.
- わが数は11なり。われらに属する者である彼ら全ての数の如く。中央に円を持つ五つの点で結ばれた星、その円は赤色なり。わが色彩は盲目の者にとっては黒であるが、青と金色(こんじき)、と目の見える者には見せられる。また、われを愛する者達の為にわれは秘密の栄光をも持つ。
- 61.
- だが、われを愛するという事は何において優るものなり。もし砂漠の星空の下、汝がわが面前にてわが香を燃やし、純粋なる心を持ってわれを召喚し、その中に蛇が燃え上がるならば、汝はわが懐に来りて、ほんの少しばかり横たわるであろう。一度(ひとたび)の口づけの為に、汝は一切を与えたいと意志するようになる。しかし、塵の一粒たりとも与えるものは誰でも、その瞬間に全てを失うであろう。汝ら財と大勢の女達、そして香辛料を集めるべし。汝ら高価なる宝石を身に着けるべし。汝ら光輝と誇りのうちに地上の国々を凌駕すべし。しかし、常にわがなる愛の内で。しからば、汝らはわが喜びへと来たるであろう。厳粛におまえに命ずる、一重(ひとえ)のローブを身に纏い、高価なる頭飾りで覆われた姿でわが面前に来たる事を。われはおまえを愛す!われはおまえに思慕の情を寄せる!青ざめていようと紫であろうと、ヴェールに覆われていようと艶めかしかろうと、全ての喜びと紫、そして最も奥深い、感覚の酩酊であるわれはおまえを欲する。翼をつけよ、そしてとぐろを巻いた光輝をおまえの内に目覚めさせよ。わが方へ来れ!
- 62.
- おまえとの出会いの時はいつでも、女司祭にこう言わせるであろう。--------そして、彼女がわが秘密の神殿の中、露(あらわ)に、そして喜悦の状態で立つ時、彼女の両眼は欲望に焦がされるであろう----------わが方へ!わが方へ!彼女の愛の詠唱の中、全ての心の炎を奮い起こす。
- 63.
- われに向かいて狂喜した愛の歌を歌え!われに向かいて香料を燃やせ!われに向かいて宝石を身に着けよ!われに乾杯せよ、われがおまえを愛するが故に!われはおまえを愛す!
- 64.
- われこそは青き瞼の日没の娘。われこそは官能的な夜空の剥き出しの光彩。
- 65.
- わが方へ!わが方へ!
- 66.
- Nuit(ヌイット)の顕現がここに終わる。
Chapter II
- 1.
- Nu(ヌー)!Hadit(ハディート)の隠匿。
- 2.
- 来れ!汝ら皆の者よ、そして未だ明らかにされざる秘密を学べ。われHadit(ハディート)は、わが花嫁、Nu(ヌー)を補いし者なり。引き伸ばされし者ではなく、Khabs(クハブス)こそがわが宮の名前なり。
- 3.
- 天空において、われは至る所で中心なり。円周たる彼女が何処にも見当たらぬ故に。
- 4.
- それでも彼女は知られたる者となろうが、われは決して知られぬであろう。
- 5.
- 見よ!古き時代の諸儀礼は黒である。邪悪なるものは投げ捨てさせよ。善きものは預言者により清めさせよ!さればこの知識は正しきものとなるであろう。
- 6.
- われはあらゆる人間の心の内、そしてあらゆる星の中心核にて燃える炎なり。われは生命にして生命の与え手なり。にもかかわらず、結果われに精通する事は死に精通する事となる。
- 7.
- われは魔術師にして悪魔祓い師。われは車輪の軸、そして円の中の立方体なり。「わが方に来れ」とは愚かなる言葉よ。赴くのはわが方であるのだから。
- 8.
- Heru(ヘル)-pa(パー)-kraath(クラアト)を崇拝していた者は、われを崇めてきた。けしからぬことよ。何故なら、われこそが崇拝者であるからだ。
- 9.
- 汝ら一同、覚えておくがよい。存在は純粋なる喜びであるという事を。全ての哀しみは影の如きものにすぎぬという事を。それらは通り過ぎ終(つい)えるものであるが、留まるものもあるという事を。
- 10.
- おお、預言者よ!汝はこの書を学ばんとす、邪悪なる意志を持つ。
- 11.
- われには汝が手とペンとを嫌うのが見てとれる。しかし、われはより強き者なり。
- 12.
- 汝が最も知らぬ、汝の中のわれ故に。
- 13.
- 何故か?何故なら、汝は知りたる者であり、そしてわれである故に。
- 14.
- 今こそ、この聖域にヴェールをかけさせよ。今こそ、光に人間どもを貪り食わせ、無分別に奴らを食い尽くさせよ!
- 15.
- われは「否」として存在す、完全なる者である故に。そして、愚か者どもによればわが数は9なるが、正確にはわれは8なり。そして8の中の1なり。その事は極めて重要である。何故なら、われは実に何一つ無き者であるからだ。女帝と王はわれに属するものではない。更なる秘密故に。
- 16.
- われは女帝であり高等司祭である。従って11なり、わが花嫁が11であるが如く。
- 17.
- われに耳を傾けよ、汝ら嘆息の民よ!苦痛と後悔の悲しみは、死者と死に行く者、未だわれを知らぬ民に任された。
- 18.
- 死んでいる、こやつらは。彼らは感じぬのだ。われらは貧しさや悲しみの為にあらず。地上の支配者たちこそが、われらの親族なり。
- 19.
- 神が犬の内に住まうであろうか?否、あるまい!だが、最上のものたちは、われらよりなるもの。われらが選びしものたちよ、喜ぶべし。悲嘆に暮れたるものは、われらに属さぬ。
- 20.
- 美と強さ、跳ねる笑いと快い気だるさ、力と火こそ、われらよりなるもの。
- 21.
- われらは見捨てられたものや、不適格者とは何の関わりもあらぬ。苦悩のうちに彼らを死なせよ。彼らは感じもせぬ。同情は王たちの悪習なり。浅ましき者や、薄弱な者を踏み潰せ。これが強者の法なり。これがわれらの法、そして世界の喜び。思うるなかれ、おお王よ、汝死ぬべし、などという偽りについて。真(まこと)に汝は死なず、生きるであろうぞ。今こそ理解させよ。王の肉体が分解せしとも、彼は永遠に、純粋なる恍惚の中に留まるであろう。Nuit(ヌイット)!Hadit(ハディート)!Ra(ラー)-Hoor(ホール)-Khuit(クイト)!太陽、力、そして視覚、光。これらは星と蛇のしもべの為にある。
- 22.
- われは知識と喜び、そして輝かしい栄光を与え、人の心を酔いで掻き立てる蛇なり。われを崇拝するには、わが預言者に告げる葡萄酒と、奇妙な薬物を摂るがよい。そしてそれから酔ってしまえ!汝らに害を為すことは一切ないであろう。自身に向けられた、この愚行は偽り。無垢を晒すのは偽り。強くなれ、おお人間よ!肉欲、感覚と恍惚の全てを享受せよ。この為に、汝を拒絶する神があるであろう事を恐れるなかれ。
- 23.
- われはただ一人きり。われの居る所に神はない。
- 24.
- 見よ!これらは重大なる秘儀とならん。隠者たらんとす、わが友人らに属するものもある故に。今や森の中や山の上で彼らを見つけようなどと思うなかれ。だが、紫の床の中、大きな四肢を持つ女たる壮麗な獣に愛撫され、火と光が彼らの瞳に宿り、周りには燃え上がる豊かな髪が広がる、汝らはそこに彼らを見つけ出すであろう。汝らは統治されたるものにおいて、勝ち誇る軍団において、全ての喜びにおいて彼らを見るであろう。そして、彼らの中にはこれの百万倍の喜びが宿るであろう。なんびとたりとも他者に強制せぬよう用心せよ、王が王に対し!燃える心を持ちて互いに愛し合え。おまえの激怒の日、おまえの誇る欲望の荒れ狂う中、卑しき人間を踏みにじれ。
- 25.
- 汝らは人々と反する者なり。おお、わが選びし者よ!
- 26.
- われは、跳躍せんととぐろを巻く秘密の蛇なり。とぐろを巻く中に喜びはある。われが頭をもたげるならば、われとわがNuit(ヌイット)は一つなり。われが頭をうなだれ、毒液を前方へと浴びせるならば、その時地上は狂喜し、われと地上は一つとなる。
- 27.
- わが内には重大なる危険がある。何故なら、これらの北欧古代文字(ルーン文字)を理解せぬ者は重大なる失敗を犯すであろうからだ。彼は、「だから」と呼ばれる奈落へと落ち、そしてそこで彼は「理由」の犬どもと共に滅びるであろう。
- 28.
- 今こそ「だから」とその同類に呪いをかけよ!
- 29.
- 願わくは「だから」が永遠に呪われんことを!
- 30.
- もし「意志」が立ち止まり、「だから」を召喚しつつ「何故」と叫ぶならば、「意志」は停止し何をも為さぬ。
- 31.
- もし「力」が何故と問うならば、「力」は「弱き者」となる。
- 32.
- 理由もまた偽り。無限と無知の要因があるからだ。そして、それらの言葉全ては歪んだ賢さなり。
- 33.
- 「だから」にはうんざりだ!犬故に呪われよ!
- 34.
- だが汝ら、おお我が民よ、立ち上がり目覚めよ!
- 35.
- 喜びと美をもって諸儀礼を正しく執り行わせよ!
- 36.
- 元素の諸儀礼、そして時節の祝宴がある。
- 37.
- 預言者と、彼の花嫁との初夜の為の祝宴!
- 38.
- 法の書を書き記す三日間の為の祝宴。
- 39.
- Tahuti(タフティー)と、預言者の子供の為の祝宴---------秘密であるぞ、おお預言者よ!
- 40.
- 至高の儀礼の為の祝宴、そして神々の春秋分点の為の祝宴。
- 41.
- 火の為の祝宴と水の為の祝宴、生命の為の祝宴と死の為の大祝宴!
- 42.
- わが狂喜なる喜びの中、おまえの心の内で日々行われる祝宴。
- 43.
- Nu(ヌー)に向けて毎夜行われる祝宴、そして極限の喜びの快楽!
- 44.
- 然り!祝宴だ!喜べ!来世は恐れるものなどない。Nu(ヌー)の口づけの中に溶解と永遠の快感はある。
- 45.
- 犬どもの為には死がある。
- 46.
- 汝はしくじるか?汝は哀しむか?汝の心の中に恐れはあるか?
- 47.
- われある所にそのようなものは無い。
- 48.
- 堕ちた者どもなどに同情するな!われは彼らを知ったためしはない。われは彼らの為にあらず。われは慰めはせぬ。われは慰められる者と慰める者を憎悪す。
- 49.
- われは唯一無二にして征服者なり。われは滅び行く奴隷のものではない。彼らは呪われて死ね!かくあらせ給え(アーメン)。(これは4よりなるものなり。目に見えぬ5番目のものがあり、その中にあってわれは卵の中の赤子の如くなり。)
- 50.
- われは青であり、わが花嫁の光の中では黄金色(こがねいろ)である。しかし、わが両眼には赤い煌きがあり、わが光る飾り物は紫と緑である。
- 51.
- 紫を超えた紫。それは視界よりも高みにある光。
- 52.
- ヴェールがある。そのヴェールは黒なり。それは貞淑なる女のヴェール、それは哀しみのヴェール、そして死の帳なり。これは、われよりなるものではない。幾世紀も続いたあの偽りを吐く亡霊を引き剥がせ。高潔なる言葉でおまえの悪徳にヴェールをかけてはならぬ。これらの悪徳は我が奉仕者なり。汝ら適切なる事を行え。されば今後おまえに報いようぞ。
- 53.
- 恐れるなかれ、おお預言者よ、これらの言葉が発せられた時、汝後悔する事はないであろう。汝は断固としてわが選びし者。そして祝福されしは、喜びをもちて見つめるその両眼なり。だが、われは悲嘆の仮面の内に汝を隠そう。汝を見る者らには、汝が堕ちてしまったものと恐れさせるであろう。しかし、われは汝を高める。
- 54.
- また、汝は最も卑しき役立たず、と大声で叫ぶ愚行を行う者どもではなく、汝がそれを啓示するであろう。汝最も有能なる者よ。彼らは「だから」の奴隷なり。彼らはわれよりなる者ではない。句読点は汝の意志のままに。文字は?それらは文体にしろ数値にしろ変えてはならぬ!
- 55.
- 汝、英語のアルファベットの規則と数値を獲得すべし。汝それらを属させる新しき象徴を見つけ出すべし。
- 56.
- 立ち去れ!汝ら嘲る者ども。例え汝らが、われに敬意を表して笑っているとしても、汝らの笑いは長く続かぬであろう。汝らが哀しみにある時、おまえ達はわれに見捨てられたものと知れ。
- 57.
- 廉潔なる者は廉潔なるままであろう。不潔なる者は不潔なるままであろう。
- 58.
- 然り!変化を思うなかれ。汝らは汝らがままにあり、他のものにはならぬであろう。従って地上の王らは永遠に王であろう。奴隷達は仕えるべし。落とされるであろう者や、高められるであろう者はない。全ては常にそれがままにあるのだ。未だに仮面をつけた者達がいる、わがしもべらよ。あそこの乞食、それが王やもしれぬぞ。王は意志のままに自らの衣服を選ぶことを許可されている。信頼のおける試金石などありはしない。だが、乞食は己の貧困さを隠す事は出来ぬ。
- 59.
- 従って用心せよ!全てを愛せ、恐らくも秘められたる王やも知れぬぞ!おまえはそう言うか?愚かな!もし彼が王であれば、汝が彼を傷つける事などできはせぬ。
- 60.
- 従って、強く低く撃て。そして彼らと共に地獄へと、達人(マスター)よ!
- 61.
- 汝の目の前に光がある、おお預言者よ。望まれぬが、最も望ましき光が。
- 62.
- われは汝の心の中で高められ、そして、星々の口づけが汝の身体の上に雨と降り注ぐ。
- 63.
- 汝は吸気の官能的な充満に消耗す。呼気は死よりも甘く、地獄の寄生虫の愛撫よりも敏速でおかしい。
- 64.
- おお!汝は征服者なり。われらは汝らの上に。われらの喜びは汝らの全身に。万歳!万歳Nu(ヌー)の預言者よ!Had(ハド)の預言者よ!Ra(ラー)-Hoor(ホール)-Khu(クー)の預言者よ!さあ喜べ!今こそ、われらが光輝と狂喜の内へと来るがよい!われらの熱情的な平穏の内へ来りて、王らの為に甘美なる言葉を書き記せ。
- 65.
- われこそは達人なり。われこそは聖なる選ばれし者なり。
- 66.
- 書け。そして書くことの中に恍惚を見出せ!働け。そして働きの中でわれらの床となれ!生と死の喜びと共に身をふるわせよ!ああ!汝の死は美しきものとならん。それを見る者は誰でも、嬉しさを覚えるであろう。汝の死は、長年の愛の約束の徴(しるし)とならん。来れ!汝の心を高めさせ、そして喜べ!われらは一つなるもの。われらは何も無きもの。
- 67.
- そのままに!そのままに!汝が狂喜の内で頑張りたまえ。素晴らしき口づけの卒倒に堕ちてはならぬ!
- 68.
- もっと強く!汝自身を持ち堪えよ!汝の頭を上げよ!あまり深く息をしてはならぬ。------------死ぞ!
- 69.
- ああ!ああ!われは何を感じるか?言葉は使い果たしたか?
- 70.
- 他の呪文に救いと希望がある。英知は言う。強くなれ!されば、汝は更なる喜びに堪える事ができる。けだものとなるな。汝の狂喜を精錬せよ!汝が酒を飲むならば技巧の8と90の規則によりて飲め。汝が愛するならば繊細さによって超えよ。そして何かしら楽しい事を為すならば、霊妙にあらせよ!
- 71.
- だが、超えよ!超えよ!
- 72.
- 常に更なるものへと努めよ!そして、汝が真にわがものであるならば、----------そしてこれに不審を抱くなかれ。汝が常に歓喜しているのならば!------------死こそは全ての者の王冠なり。
- 73.
- ああ!ああ!死よ!死よ!汝は死を切望するであろう。死は禁じられている、おお人間よ、汝らにとっては。
- 74.
- 汝の切望のたけがその栄光の強さとなるであろう。長く生き、死を強く欲する者こそは常に王達の中の王である。
- 75.
- 然り!その数と言葉に耳を傾けよ。
- 76.
- 4638ABK24ALGMOR3YX24 89RPSTOVAL。これは何を意味するのか、おお預言者よ?汝は知りはせぬ。また、汝は今後も知ることはないであろう。汝の後に従う者がやって来る。彼はそれを解釈するであろう。だが覚えておくがよい、おお選ばれし者よ、われとなる事を。星の輝ける天界にてNu(ヌー)の愛に従いついて行く事を。続く人間に目をかけてやる事を。この喜びの言葉を彼らに告げる事を。
- 77.
- おお汝、人々の間において誇り高く、強くあれ!
- 78.
- 汝自身を高めよ!汝の如き者は人間の間にも、神々の間にも誰一人としておらぬが故に!汝自身を高めよ、おおわが預言者よ。汝の能力は星々をも凌ぐものとなろう。彼らは堅固なる、神秘なる、素晴らしき人間の数なる汝の名を崇めるであろう。そして汝の宮、418の名をも。
- 79.
- Hadit(ハディート)の隠匿の終わり。そして、美しき星の預言者に祝福と崇拝を!
Chapter III
- 1.
- Abrahadabra(アブラハダブラ)。Ra(ラー) Hoor(ホール) Khut(クート)の報い。
- 2.
- こちらの家路には分裂がある。知られざる言葉がある。綴りは消滅し何も無い。全ては無なり。用心せよ!そのままに!Ra(ラー)-Hoor(ホール)-Khuit(クイト)の呪文を奮起せよ!
- 3.
- まず第一に、われが戦いと復讐の神であるという事を理解させよ。われがそれらを取り扱う事は殆ど無いであろう。
- 4.
- 汝ら一つ島を選べ!
- 5.
- それを要塞堅固にせよ!
- 6.
- 戦いの兵器で肥しをやれ!
- 7.
- わが戦争兵器をおまえにくれてやろう。
- 8.
- それと共に、汝ら人々を襲うべし。誰もおまえの行く手に立ちはだかる者はないであろう。
- 9.
- 潜伏せよ!撤退!飛びかかれ!これこそが征服の戦闘の法なり。さすれば、わが崇拝者はわが秘密の宮を取り囲むであろう。
- 10.
- 自己啓示の石碑を手に入れ、それを汝の秘密の神殿内部に据えよ。----------その神殿は既に正しく配置されている。------------そして、それは永遠におまえのKiblah(キブラー)となるであろう。それは色褪せる事なく、毎日、毎日奇跡的な色が戻ってくるであろう。世界への証として、これを鍵の掛かったガラスの中に密閉せよ。
- 11.
- これがおまえの唯一の証となろう。われは論争を禁ず。征服せよ!これで充分だ。われは勝利の都市にある雑然とした宮より抽出する事を、おまえにとって容易なものとしてやろう。汝自身が崇拝心と共にそれを伝えるべし。おお預言者よ、例え汝が好まざるとにかかわらず、汝は危険と苦労とを併せ持つであろう。Ra(ラー)-(=)Hoor(ホール)-(=)Khu(クー)は汝と共にある。火と血とをもって、われを崇めよ。剣と槍をもって、われを崇めよ。わが面前にて女に剣を身につけさせよ。わが名へと血を流出させよ。不信心なる者を踏み潰せ。とびかかれ、おお戦士よ、彼らの肉を食らう為におまえにくれてやろう!
- 12.
- 家畜を生け贄とせよ、大なるも小なるも、一人子(ひとりご)の後に。
- 13.
- だが今ではない。
- 14.
- 汝らはその時を見るであろう、おお、祝福を受けし野獣よ、そして汝、彼の欲する緋色の妾よ!
- 15.
- それから汝らは哀しむであろう。
- 16.
- 熱心に約束を取り付けようなどと思うなかれ。呪いを受けることを恐れるな。汝ら、汝らでさえこの意味の全てを知っているわけではない。
- 17.
- 何一つ恐れるでない。人々も、宿命も、神々も、何者をも恐れることはない。金も、愚かな民の笑い声も、天上、地上、地下の他の如何なる力をも恐れてはならぬ。Hadit(ハディート)がおまえの光であるが如く、Nu(ヌー)はおまえの避難所である。そして、われはおまえの武器の強さ、力、活力なのだ。
- 18.
- 慈悲は去らせよ。憐れみをかける者どもなど、地獄へ落としてしまえ!殺せ、そして拷問にかけよ。容赦するな。とびかかれ!
- 19.
- 彼らが「荒廃の忌わしきもの」、と呼ぶであろうあの石碑。その名をよく数えてみるがよい。そして、それはおまえにとって718と同様になろう。
- 20.
- 何故なのか?「だから」の堕落が故に彼は再びそこに現れることはない。
- 21.
- 東方にわが似姿を設けよ。汝が良く知るものとさほど異なるものではないが、われが特別に汝に見せよう似姿を購入すべし。そして、汝がこれを行うに突如として容易なものとなるであろう。
- 22.
- われを支えるべく、その他の似姿がわれを取り囲む。全てを崇められたる者とさせよ。何故なら、彼らは一団となってわれを賞揚させるであろうからだ。われは目に見える崇拝の対象である。他の者達は秘められたる者なり。何故なら、獣とその花嫁こそが彼らであるからだ。そして、試練Xの勝利者の為のものなのだ。これは何か?汝は知るであろう。
- 23.
- 香料の為に、粗びき粉と蜂蜜と、赤葡萄酒の濃厚なる残りかすを混ぜよ。更にはアブラメリンの油とオリーブ油を加え、追ってこくのある新鮮なる血で柔らかく、滑らかにするのだ。
- 24.
- 最良の血は、毎月の月よりなるもの。次に子供の鮮血、又は天界のあるじより滴る血。その次が敵よりなるもの、そして聖職者か崇拝者達からなるもの、最後は何でもかまわぬが、何らかの獣よりなるものだ。
- 25.
- これを燃やせ。これからケーキを作り、われの為に食せ。これにはまた他の用途もある。それをわが前に横たわらせ、おまえの祈りの香料で濃厚な状態を保っておけ。それは言わば甲虫や、われにとって神聖なる這い回る者達でいっぱいになるであろう。
- 26.
- おまえの敵を名指しつつ、これらを殺害せよ。すると彼らはおまえの面前で倒れ込むであろう。
- 27.
- また、それを食すおまえの内に、それらは肉欲と、肉欲による力を生むであろう。
- 28.
- また、戦いの最中(さなか)にあって、汝らは強くなるであろう。
- 29.
- その上、それを長期に保存すれば更に良い。何故なら、わが面前のものは全て、わが力と共にそれらは増大するからである。
- 30.
- わが祭壇は解放式の真鍮製なり。そこに銀、もしくは金を焼き付けよ!
- 31.
- 汝らの上に黄金を注ぐであろう富める者が西方よりやってくる。
- 32.
- 黄金より鋼をきたえよ!
- 33.
- 飛び去るか、襲うかの準備をせよ。
- 34.
- だが、おまえの聖所は幾世紀にも渡り手付かずのままであろう。例え火と剣とでそこが焼き落とされ粉砕されたとしても、なお目に見えぬ宮がそこに建っており、偉大なる春秋分点が堕ちるまで建ち続けるであろう。Hrumachis(フルマキス)が出現するであろう時、対の杖を携えたる者がわが玉座と地位とを引き受ける。別の預言者が現れ、空より新たなる熱病をもたらすであろう。別の女が蛇の欲望と崇拝を呼び覚ますであろう。別の神の魂、そして獣が球体の司祭の中で混じるであろう。別の生け贄が墓を染めるであろう。別の王が支配するであろう。そして、鷹の頭をした神秘的なる主に祝福が降り注ぐことは最早無い!
- 35.
- Hoor(ホール)-pa(パ)-kraat(クラアト)、そしてRa(ラー)-Hoor(ホール)-Khut(クート)と呼ばれる、Heru(ヘル)-ra(ラー)-ha(ハ)の言葉の半分。
- 36.
- それから、預言者は神に向かい言った:
- 37.
- われは歌によりて汝を賛美す--------------
- 38.
- そう、汝の光はわが内にあり、その赤き炎は汝の命令を押し動かすわが手の内の剣の如し。四方に汝の道を設けるべく、われが造るであろう秘密の扉がある。(これらが汝の記したるように尊崇なり。)曰く:
- 39.
- この全てと、いかにして汝がここに来たかを言わんとす一冊の書、そして、絶える事のないこのインクと紙の複製---------何故なら、その中にはこの英語で記されたる内容だけではなく、言葉の秘密をも含んでいるからである。----------そして、汝の注釈を載せたる「法の書」は、手作りの美しい紙の上に赤のインクと黒とで美しく印刷されるべし。汝の出会うそれぞれの男女にとって、例えそれが彼らと飲み食いを共にするだけの事であっても、それは与える「法」なのである。果たして彼らがこの至福に留まるも留まらぬも運次第であろう。見込みは少ない。早やかにこれを行え!
- 40.
- しかし、その注釈の作業は?それは簡単な事よ。しかも、汝の心の内にて燃えるHadit(ハディート)が汝のペンを迅速かつ、安定したるものとするであろう。
- 41.
- 汝のKaaba(カアバ)に書院を設けよ。全てが適切かつ事務的に行わねばならぬ。
- 42.
- 試練は盲目の者だけは省き、汝が自ら監督すべし。何者をも拒絶するなかれ。だが汝、裏切り者らを知り滅ぼすべし。われはRa(ラー)-Hoor(ホール)-Khuit(クイト)なり。そして、わがしもべを護るべくして強力なる者なり。成功こそが汝の証。議論するなかれ。改宗するなかれ。語りすぎるなかれ!汝を罠にかけようと、汝を転覆させようと試みる者どもには情け容赦なく攻撃し、完全に滅ぼしてしまえ。踏みつけられた蛇が振り向きざまに攻撃するが如く素早くあれ!いや、彼よりも更に執念深くあれ!やつらの魂を凄まじき苦痛へと引きずり落とせ。やつらの恐怖を笑え。やつらに唾を吐きかけろ!
- 43.
- 緋色の女に用心をさせよ!もし、憐れみや同情や思いやりが彼女の心に訪れるならば、もし古き甘美なるものたちをぞんざいに扱う為に、わが作業より離れるならば、わが復讐を思い知るであろう。わが手で彼女の子を殺害しよう。われは彼女の心を締め出そう。われは彼女を人間より追い払おう。身を縮めた蔑まされたる売春婦が如く、薄闇の湿っぽい通りを這い回り、寒さと飢えとで死に至るであろう。
- 44.
- だが、彼女には誇りのうちに自らを高めさせよ!彼女にはわが径のうちに、わが後に続かせよ!彼女には罪深き業のうちに働かせよ!彼女には自らの心を殺させよ!彼女は下卑た不義なる者とさせよ!彼女には宝石と華美な衣服で包ませ、あらゆる男の前で恥を持たぬ者とさせよ!
- 45.
- さすれば、われは彼女の力を頂点にまで高めてやろう。さすれば、われは彼女に地上のあらゆる王達よりも強き子を産ませよう。われは彼女を喜びで満たそう。わが力をして、彼女はNu(ヌー)の崇拝を目にし、達するするであろう。彼女はHadit(ハディート)を成し遂げるであろう。
- 46.
- われは40番台の戦士たる主なり。80番台はわが面前で萎縮し、へりくだる。われはおまえを勝利と喜びへと導こう。戦いにあっては、われはおまえの武器となり、汝らは喜んで殺害をするであろう。成功こそがおまえの証なり。勇気こそがおまえの鎧なり。進み続けよ、わが力の内を。されば汝は如何なるものの為にも後ろを振り向く事はないであろう!
- 47.
- この書はあらゆる言語へと翻訳されるべし。だが、如何なる時にも獣の記したる原文とともにせよ。何故なら、偶然による文字の形や、それら互いの配置の中に獣でさえ見抜けない秘儀があるからである。彼には調べてみようなどと試みさせてはならぬ。だが、われらが語ることのないある者が彼の後から来りて、その全ての鍵を発見するであろう。そして、この引かれた一線が鍵である。そして、この正方形たろうとして失敗した円もまた鍵である。そしてAbrahadabra(アブラハダブラ)。それは奇妙なる事に彼の子となるであろう。彼にはこれを要求させてはならぬ。何故なら、ただそれを試みただけで彼はそこから堕落しかねない。
- 48.
- 今やこの文字の秘儀も終(つい)え、われはより神聖なる場所へと進み続けんと欲す。
- 49.
- 我は人間のあらゆる神々に対する、冒涜たる秘密の四重の言葉の内にある。
- 50.
- 彼らを呪え!彼らを呪え!彼らを呪え!
- 51.
- わが鷹の頭をもって、われは十字架にかけられたるイエスの両眼をついばむ。
- 52.
- われはマホメットの顔にわが両の翼を羽ばたかせ彼の目を晦ます。
- 53.
- わが鉤爪をもって、われはインド人と仏教徒、モンゴル人とディンの肉を引き裂く。
- 54.
- Bahlasti(バーラスティ)!Ompehda(オムペーダ)!われは、おまえらの酒食に溺れたる教義に唾を吐きかける。
- 55.
- 穢れ無きマリアは車輪の上で引き裂かれよ。彼女故に純潔なる女どもは皆、おまえ達の間で徹底的に蔑まされよ!
- 56.
- また、美の為にも、そして愛の為にも!
- 57.
- 臆病者も全て軽蔑せよ。戦おうともせず遊びに興じる職業軍人、全ての愚か者どもを軽蔑せよ!
- 58.
- だが、鋭敏なる者や誇り高き者、王者に相応しき者や高尚なる者、汝らは同胞なり!
- 59.
- 同胞として戦え、汝ら!
- 60.
- 「汝の意志する事を行え」を超える法はない。
- 61.
- Ra(ラー)の座に着きたる神の言葉に終わりがあり、魂の大梁を軽くしている。
- 62.
- われに向かい汝らは敬意を払え!われに向かい来れ、汝ら至福なる試練の困苦をくぐり抜けたる者よ。
- 63.
- 愚か者がこの「法の書」と、その注釈を読もうとも彼がこれを理解することはない。
- 64.
- 彼には第一の試練をくぐり抜けさせよ。すると、それは彼にとって銀の如きものとなろう。
- 65.
- 第二番目をくぐり抜ければ金に。
- 66.
- 第三番目をくぐり抜ければ貴き水の石に。
- 67.
- 第四番目をくぐり抜ければ、心の奥底にある火の究極なる閃光に。
- 68.
- それでもまだ万人にとってそれは美しく見えるであろう。そんな事はない、と言うその敵は単なる嘘吐きどもだ。
- 69.
- 成功はある。
- 70.
- われこそは沈黙と威力の鷹の頭をした主なり。わがネミスは夜の青き空を覆う。
- 71.
- 万歳!汝ら、世界の柱の周りにいる双子の戦士らよ!汝らの時はもう間近に迫っている。
- 72.
- われは力なる対の杖の主なり。Coph(コフ)-Nia(ニア)の力の杖。-----------だが、わが左手は空虚なり。何故なら、われは一つの宇宙を粉砕し、何も残らぬようにしてしまったからだ。
- 73.
- その一枚一枚を右から左へ、そして上から下へと貼りつけてみよ。すると見るがよい!
- 74.
- 隠されたる、栄光に満ちたわが名前の内に光輝はある、真夜中の太陽(サン)が常に息子(サン)であるように。
- 75.
- 言葉の結末は、言葉たるAbrahadabra(アブラハダブラ)。
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